今回はクラシック音楽史の時代区分、そしてそれぞれの時代の特徴について簡単にお話したいと思います。
その前に「クラシック」とは何でしょう、ピアノを弾いている私たちにとっては馴染みのある言葉ですが、そもそもどういう意味なのでしょうか。
皆さん『class(クラス)』という単語、聞いたことありますよね。学校のクラス、習い事のクラス、様々なクラスがあります。「クラシック」は『class(クラス)』から派生された言葉です。元々『class』はイタリア、ローマの市民階級の1つでした。『class』という階級はその中でも上流階級であったと言われています。上流階級であるとはつまり、”高級”であり、”上等”であるわけです。そこから、「クラシック」という言葉が出来上がり、”最高級の”という意味になります。最高級なので、流行に左右されることもなく変わる必要が無いのです。そこから”伝統的な”、”古典的な”という意味が生まれました。
皆さんは”最高級の音楽、ピアノ”を学んでいるのですよ♪
さて、では音楽史の時代を分けてみましょう。
★中世・ルネサンス時代
絵画なども同じですね、中世絵画・ルネサンス絵画と呼ばれる時代です。
中世は6世紀(西暦501年〜600年)から、ルネサンスは15世紀(西暦1401年〜1500年)からと言われます。はじめは伴奏も何もない”聖歌”から、だんだんメロディー(旋律)が加わり、1つの旋律から複数の旋律を持ち出した結果ハーモニー(和音)が生まれました。ミサ曲などの教会音楽を中心に展開されます。
★バロック時代(17世紀〜)
ヴィヴァルディやバッハはこの時代に区分されます。ピアノやヴァイオリンなどの器楽音楽が発展し、王様や貴族のための宮廷音楽が中心になります。
★古典派時代(18世紀〜)
モーツァルトやベートーヴェンの時代です。一般市民にも音楽に触れる機会が増え、音楽家たちは自分の楽譜を発売するなど、自分自身でお金を稼げるようになります。
★ロマン派時代(19世紀〜)
ショパン、シューマン、リストなど知っている作曲家がたくさんおられると思います。依頼されて作曲をしていた時代が終わり、各個人がそれぞれの思想を持って新しい音楽を追求していきます。
★近代(1890年〜)
ロマン派のような激しい感情の表現を無くし、雰囲気や気分を思わせる「印象派」の音楽に変わっていきます。
★現代(1920年〜)
今もなお続いています、自由な発想、自由な表現で全く新しいアートを作り上げるように独創的です。
大まかに分けるとこの6つになるでしょうか。今でこそ、このように時代で分けることができますが、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンやショパンたちにとっては、彼らの生きていた、活動していた時代が常に「現代」だったのです。
私たちのこれからも、もしも新しい音楽の時代が生まれるとすれば名前がつくのでしょうね。各時代の音楽を聴き比べて、変化を感じ取ってもらえれば嬉しく思います♪
今月のクイズ
① 街中に芸術空間を作る取り組みでチェコの駅やポーランドのショパン空港に置いてあるものは、「○○○○」
② 「クラシック」とは“○○○の”という意味です。
ショパン、リストかならず弾けるようになりますので頑張ってね。
暑く、台風の多かった夏休みでしたが、楽しく過ごせましたか?有田先生編曲のハッピーバースデーも楽しめましたか?難しかった人は9月も練習してください。
先日テレビで、街中に芸術空間を作ろうとするチェコスロバキアの取り組みの一つで「駅ピアノ」というのを見たのですがあまりにも楽しかったので感じたことをお話します。
チェコのどこかの駅だったかと思います。駅のホームのそばにだれでも自由に弾いていいピアノがあり、通勤客や観光客が思いつくままに弾くのを、カメラが奏でる人を見つめる「駅ピアノ」というものです。あるIT関連のサラリーマン、高校までは音楽学校にいたようでピアノを弾いていると心が空っぽになり、悩み事も忘れられるし最高と。また40過ぎのおなかのでっぷりした土建会社の社長さんが楽しそうにチェコのビアダルポルカを、音楽は人と人をつなぐ磁石のようなものだと。またジプシーと呼ばれるロマの人がなんとも切ない(苦しいことも多いけど、助け合って生きていこう)、曲を弾き語りしていたり、また4年前にアメリカから来た愛犬と一緒の男性英語教師、バッハを弾くのですがそれを聴いていたある男性は拍手し、すばらしかったよ、これでビールでものみなよ!とチップを渡すのです、受け取った彼も両手を広げてなんと!!という感じ。また今はホテル勤務だが、小さいころから習っていたピアノで大教会のオルガニストが夢の男性は、喜びや、悲しみ、悩みの感情を曲にのせて弾くのだと、弾いていると幸せな気分になれる、だから駅に練習に来ると。また恋人を追いかけてウクライナから来た青年、祖国ではピアノで生計を立てていたそうですが、携帯の電源を切り、終電まで弾くこともあるとか。それぞれに楽しんでいる情景がとても素敵でした。みな思いを音に乗せて弾けることの幸せを感じているようで、これぞ音楽、ピアノを弾くことのだいご味だと思いました。みなさん上手とか下手とかというとらえ方でなく、音楽がある生活はこんなにも楽しいのよ、ということが伝わってきた駅ピアノでした。そういえば最近日本でも見たようにも思います。しゃべる作曲家9月はショパンです、その生まれた国ポーランドのワルシャワ・ショパン空港にも置いてあるそうですよ。みなさん、もし駅ピアノが近くにあったらひけますか?きっとシャイな日本人の私たちは、上手にひかなくっちゃというのが頭をよぎり、しり込みする人も多いのではないでしょうか。そんなことを思うのはナンセンス、お気に入りの曲はぜひ弾いてみてくださいね。絶対に楽しくなれること間違いなしですよ。普段は細かいレッスン指導もしますが、それは最終的に一人で楽しめるようになってほしいからなのですよ、日本の子供たちのピアノレベルは高く、高校生の夏休みホームステイなどではすごーい!と感動してもらえるそうですが、そのあたりまでで終わってしまうことが多く、大人になり自分の楽しみにまで高めていける人が少ないのが残念です。あの駅でのように楽しくて、弾くと幸せ!というピアノであってほしいと思います。生活の中に音楽があって楽しんでる・・私が理想とする姿がそこにはあり、とても素敵な幸せな駅ピアノでした。きっと再放送されると思います、見れるといいね。みんなにもそのような音楽ライフをおくってほしいと思います。
音楽のある人生は最高!!好きな曲は弾き続けてね。
夏休み募金もたまりましたね。毎月のお月謝から一人10円の寄付をしているチャンス・フォー・チルドレン(西日本災害へ)に送ります。みな頑張ってくれてありがとう!!